サバイバーパンク
■作・演出/大川 豊 ■出演/大川 豊、寺田体育の日、江頭2:50
フランキー為谷、松本キック、ハウス加賀谷、三平×2
藤井モウ、バンビ高橋、倉元幸二、阿曽山大噴火、釜津田 他


98年7月11日。いまから約一年前のこの日が私にとっての初大川興業(体験)でした。あれから一年。あっという間だった気もするし、すごーーーく長かった様な気もする。その間には営業とか、すっとことか、忘年会、TV出演、大川幕府(FC)入会といろんなことがありました。今回は本公演初日の1ヶ月ぐらい前から待ち遠しくて仕方がありませんでした。ほぼ白紙の状態で観た「自由自」と、興業に対して深い愛情を感じている今の状態で観る「サバイバーパンク」。あまりにも思い入れが強すぎてかえって肩透かしを食っちゃうんじゃないかとかいろんなことを考えながら今日までを過ごしてきました。いよいよ、です。

◎あらすじ◎
白の作業着姿の男5人が何者かに拉致され監禁されている。インディーズのバンドでヴォーカルをやっている「自称カリスマ」(寺田体育の日)、荒廃した教育現場に苛立ちを覚える中学校教師(江頭2:50)、栃木の米作農業従事者(フランキー為谷)、エセ推理小説か(松本キック)、5人の人格を持てあます男(ハウス加賀谷)。緊迫した状況下で追いつめられていく5人の行きつく先は・・・。

重箱のすみをつつく詳細なレポは別ページに。
こちらからどうぞ。

SURVIVER PUNKという言葉。サイバーパンク(Cyber Punk)とサバイバル(Surviver)をもじった造語だろう。もしかしたらただ単に響きの良さからかもしれないけど、「サイバーパンク」の要素に「サバイバル」って要素を加えた内容なんだろう。
「これってサイバーパンクだよね」と思ってもニュアンスで言ってるのでハッキリこういうことだ、っていうのが説明できない。何となく「世紀末」「退廃的」「SF」なイメージがある。
※ネット検索してみたらこんなページがありました。(無断リンクです)多分内容を理解するのにかなりの手助けになると思います。
観る前に”危機管理”というキーワードを耳にしました。危機管理と言っても個人の生活上でのもの、国家単位での大きなものといろいろあるけれど、どういう場合にしても一人一人がしっかり問題意識を持って考えないといけないことだと思う。

らしくない話はこれぐらいにして大まかな感想を。

まずしょっぱなの学級会(ホームルーム?)のシーンから「うわぁー!ヤラレタっ!」と思いました。いろんなキャラが揃っている教室の情景はそれだけで想像をかきたてる。賢そうで教師を見下している雰囲気の加賀谷くんの役柄、「白カチューシャ」なふうりんの二人。新人のひとたちもそれぞれのキャラが光っていた。

そしてダメ押しの5人数珠つなぎ。その絵面だけで一本勝ち。

今回の一番の功労者はやっぱり加賀谷くんだと思う。5重人格のエピソードが入ることでかなり物語のスパイスになっていたと思います。5人の人格をあのテンションで演じきることは並大抵の集中力じゃできないよぉ・・・。携帯電話5台駆使しての会話は圧巻。
男の体なのに女の人格というアンバランスな存在だったリサちゃんが消える時のエガちゃんとの会話はせつなかった。

いや、やっぱりエガちゃんのキャラが一番メインか。キレてしまった後の一人芝居はすごかった。学級会のシーンを再現して途中から筋が変わっていくあたりには悲しみが漂っていた。

いやいや、やっぱりメインは「101匹豊」かもしれない。(笑) お腹がよじれるほど笑ってしまった。ダンスダンスレボリューションの曲や、アイフルの「お自動さん」のCMソングで踊る黒パーカーズは、今年の夏の熱帯夜、夢に出てくることでしょう・・・。そしてもちろんうなされる、と。

ちょっと残念だったのはエガちゃん&加賀谷くんのサイドストーリーはあったけど寺田さん、キックさん、為ちゃんの3人はほとんど繋がれている状態での会話から「ああ、こういうキャラなんだ」ってわかる程度でそれぞれのエピソードがあまり語られなかったことでした。5人の背景を語るには倍ぐらい時間が必要なのかな。あと話がダラダラしてしまうのかもしれないですね。
寺田さんのキャラはとってもパワフルでした。

エンディングは茶化しもなく変化球勝負じゃなく結構正攻法で終わったので「あら。」って思ってしまいました。

* 松本ハウス HOME * Live Report * BBS * LINK *