やひろトンパチ堂〜裏芸術東京大爆破〜
2000.2.11-27


2000年2月11日(金・祝)

パニャグルミン&トンパチプロの美術展「やひろトンパチ堂〜裏東京芸術爆破〜」が今日から始まりました。

2月11日はウルフルズのライブツアー初日でチケットを取っていたのですが、スペシャルイベントとしてトークライブがあるという話を聞き、「ちょっとだけでも見たいなあ」と思い、八広に足を運びました。

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「初日」「イベントあり」と大変なことになっているであろうギャラリーに早々に押しかけると、決して広いとは言えないスペースに大勢の人たちがひしめいていました。よくよく見るとその日の出演者の方々がほとんどで、邪魔にならないように、と思っても無理なほどでした。

すでに総勢18人(水道橋博士/玉袋筋太郎/ハチミツ二郎/マキタスポーツ/ターザン山本/サンキュータツオ/居島一平/鳥肌実/村松正孝/国井政勝/殿方充/ヘブリスギョン岩月/三平三平/阿曽山大噴火/プチ鹿島/田村直規/高瀬充臣/高瀬亮爾/キャプテンパニャ、以上敬称略・順不同)の作品も並んでいました。それらを見ていて実感したのは芸人さんの才能の多彩さでした。芸事に優れた人は個性的な芸術センスを持ってるものだなあと思いました。作品については後日レポで。

とりあえず先に買っておかないと買えなくなると思って、物販を見ました。今回はポストカードがいっぱいありました。ポストカードフェチ(?)としてはすごく嬉しかったです。キャプテンパニャさんもの、ぐるみちこさんのイラストのもの、すっとこボーイズのものの計6枚を手に取りました。そして1年近く前のすっとこで一回だけ見たことがあってそれ以来ずっと気になっていた鳥肌実さんのCDを買いました。

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そしてトークライブの会場である、道路を挟んでお向かいにあるはなみずき集会場に移動しました。まさに地元の集会場という感じで、畳敷きの広間に座布団が並べてあり、大きな床の間のようなステージがあり、端にはカラオケのセットがあって、給湯室がついているというその妙に懐かしい空間。隅に長い座机があってそこに普通のオーディオシステムがあってそこでパニャさんが何か音楽をかけていました。顔見知りの方たちと世間話をしながら始まるのを待ちました。ふと、窓の外に目をやると芸人の方々が隣接している公園で普通に遊んでいました。その光景がとっても微笑ましかったです。

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「そろそろ始まる時間かな?」と思っているとふと部屋の中が少し暗くなったような気がしました。殺気を感じて窓の外に目をやると障子の向こう側にずらっと並んでいる出演者の方々のシルエットが。(笑) 思わず「うわっ!」と口に出してしまいました。と、障子が開いて、その窓からの出演者の登場となりました。

お笑い系の経験が浅い私にとっては初めての芸人さんも多く、なんとなく様子をうかがうようにして観ていました。周りの反応待ちみたいな感じ。芸人さんがそれぞれ自分が出展した作品についての話をしていきました。
興業の面々のコメントだけ書くと、新聞紙に「贅沢三昧」と金色で書いた阿曽さんは「僕、作品出すって知らなかったんですよ〜〜。」とのこと。
三平さんは年明けにめっちゃブルーだったときに描いたという作品。(タイトルは忘れた)イラスとの上に有刺鉄線が張り巡らされているなんとも武闘派なもの。「有刺鉄線ってカッコいいですよね。」と三平さん。
学生時代、美術の時間に作ったという手の粘土作品と、デッサンを出品した鹿島さん。玉置さんを訪ね、サバの味噌煮での晩餐中だった玉置さんの横顔を描いた作品。シアワセの構図?でもその目線の先にあったのは「愛の貧乏大脱出」・・・。(笑)
その他の方々はほぼ初めてだったので先に見てきた作品を思い出しながら、「ああ、あの絵を描いたのはこの人なのね」と、わかる部分とわからない部分が半々という感じでした。

それぞれの作品紹介が終わると、PRIDE-Kを見てきたという方々の話がありました。
そのあとはステージ上にパニャさんも加わって、パニャさんの経歴などの話になりました。そのとき、「ああ、そっか、パニャさん寄りでココにいるのは私たちぐらいなもんだったのかー。」と気づきました。他の方々はトンパチプロのお客さんで、パニャグルミンは初めてだったのですね。ホトケキのかぶりものをしたハチミツ二郎さんがナビゲーターでいろいろ話が進んでいきました。

・・・・が、ここで出発しないと間に合わない時間になってしまい、泣く泣くはなみずき集会場を後にしたのでした。(涙) 誰か、コピーロボット、またはどこでもドアを私にください。どうぞよろしく。

大川興業もいろんな人たちがいて面白いけど、トンパチプロもこれまた面白い人たちがいっぱいいるなあと思いました。また機会があったら足を運ぼうっと。
. 2000年2月19日(土)

またまた八広に行ってきました。

先週はトークライブも少ししか見られなかったし、作品を見るのも駆け足だったので、もう少しゆっくり見たいなあと思っていました。それからオークションの値段がついている様子も見たかったので上京の予定を繰り上げて行くことにしたのでした。

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「う〜ん、何だか『タダイマ〜』って感じだなあ」と思いながら八広駅の改札を出るとパニャグルミンアトリエに向かいました。ドアを開けて中に入ると先客がありました。中にいたぐるみちこさんに「あっ。(笑)」と驚かれてしまいました。この日はハチミツ二郎さんがいらして、ご挨拶させていただきました。こういう時には借りてきたネコになってしまうワタシ。

初日には空欄だったプライスカードに金額と名前が書いてありました。値段が書いてあるとその値段のものに見えてくるから不思議です。

水道橋博士の作品は以前「誰でもピカソ」で見ていたんですが、モダンアートっぽくてその色使いのきれいさがとても印象的でした。玉袋筋太郎さんの作品は王冠からお尻が飛び出しているんだけど、このあいだ友人同士の飲み会で痔の話がやたらと盛り上がってたのを思い出して笑ってしまいました。ハチミツ二郎さんの作品はA4サイズのCGだったんだけど、ほのぼのとした線と色使いがとてもいい感じでした。マキタスポーツさんは色鉛筆か何かで描いたようなほんわかした雰囲気の橋本真也さん@赤ちゃんのイラストでした。サンキュータツオさんは三枚舌如来のイラストと、「ロボコップのうんこ」と題した金色に塗られた紙粘土作品でした。この「ロボコップ〜」は入ってすぐに目に付いて「うわっ!なんじゃこれっ!」と驚いた作品でした。単純な形なんだけどインパクトが強かったです・・・。居島一平さんの作品はなんと天井に貼られていました。「新しい国旗」という話だったと思いますが安斎肇チックな勢いのある作風が素晴らしかったです。鳥肌実さんは普段ほとんどしないというサイン、戦艦などいろんなプラモデル、大迫力の「自画像」などなど。自画像はゴッホ中後期の雰囲気で圧倒されてしまいました。村松正孝さんは「夢の中」というタイトルのどんとのイラストと、お兄さん会の全チラシでした。このどんとを描いた作品はバックにどんとが影響を受けたであろうアーティストたちも描かれていて、その中に「RAMONES」(ジョーイ)を見つけてとても嬉しかったです。お兄さん会には行ったことがないのですが、どのチラシも素晴らしくて「うわ、いいなぁ、、、欲しいなあ」と思ってしまいました。国井政勝さんはアニメの一場面を切り取ったようなイラストでした。殿方充さんの作品は「女は好かん、生理があるさかい」というイラストでした。タイトルって大事だなあと思った作品でした。(笑) ヘブリスギョン岩月さんは線にとても味がある作品、数点。ターザン山本さんの作品は何かの文章を書いたものをファックスで送信したものだったと思います。三平三平さんはガロっぽい(形容詞の語彙が貧困で・・・)イラストに有刺鉄線がはりめぐらせてあるものでした。阿曽さんは新聞紙に金色の文字で「贅沢三昧」と書いてあるもの。深読みするとすごーーーく深い意味が感じ取れるんだけど、多分ご本人はそこまで意味はつけていないでしょう。鹿島さんは中学(高校?)のころに作ったという手の粘土作品とテント仲間(!)の玉置さんを描いたデッサン作品「ぼくの好きな友達」でした。田村直規さんは多分「浅草お兄さん会」のステージの模様(行った事がないのでわからないんですけど)を撮影したと思われる写真、13点でした。、高瀬充臣さんはマキタスポーツさんをフィーチャーしたアイコラ(っぽいイラスト、かな?)、高瀬亮爾さんはハチミツ二郎さんとマキタスポーツさんのとってもいい表情の写真。そしてキャプテンパニャさんは、ボトルヘッドランプ、ラブパンク、女子高生、自画像ほか、様々な作品が出されていました。忘れているものもあるかもしれないんですがこのぐらいだったと思います。

アトリエのスペースにぎっしりと並んでいる作品を見て、酔ってしまいそうでした。右を向いても、左を向いても、上を向いても作品だらけ。個性の強い作品がずらりと並んでいるその空間が肌にビリビリくるようでした。

その場にいた知り合いの方が、まだ値のついていなかった作品にバシバシ値を書き込んでいくのを見て「うわ〜、オットコ前〜。」と思いながら眺めていました。とりあえず絶対に無理だと思いつつ、ひとつ値段をいれて帰ってきました。

最終日には落札ショーがあるという話で、これにはサスガに来られないのが残念でした。作品展としての楽しみだけじゃなく今回はオークションという要素がとても楽しかったです。