2000年10月13日金曜日 LAHAINA(愛知県豊橋市)

「またしても・・・。」
5月のTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTに続き、今度はfOULとeastern youthが豊橋ラハイナにやってきました。上の言葉はイベンターからのDMを見たときの私の呟きです。恐るべしLAHAINA。これもひとえに「地方都市とか、小さいところとかも回ろう」というバンドの人たちのおかげです。


当日は仕事を早退し、LAHAINAに向かいました。「今回は珍しくいい番号(1ケタ)だから開場前に着きたいなあ。車停められるかなあ。」と心配しつつ、開場10分前に到着するとまばらな人影、、、。車も余裕で停められてしまい「嘘でしょう〜!?」って逆に不安になってしまいました。そのときにはまだセッティングをやっているようで中からfOULの演奏がもれきこえてきていました。
開場時間10分ぐらい過ぎて中に入ることが出来ました。少しずつしか埋まっていかないフロアを観て「う〜ん、寒いライブになったら嫌だなあ」と思っていました。

fOUL

煉獄の中で
Flat〜(不明)
そして浸透
大人になる予感
ドフトエフスキーグルーヴ
Wax&wane
裁判所の架空の訓示
向こう3年の通暁者

(終わりの始め)
・セットリストにはあったけど
実際には演奏されなかった

最初はfOULからでした。今までは向かって右側、ファウルで言うとBsの平松さん側で観ていましたが今回は左側で観ました。リキッドルームやBLITZのような大きめのところでしか観たことがなかったので、本当に目の前すぐそこでイースタンやファウルが観られるということにすごく感動していました。遠くで観ていた時も「パワフルだなー」って思っていたけれど、目の前で見ると更に迫力がありました。Gt.+Vo.の谷口さんは全身で歌い、全身でギターを弾くなあと思いました。特に顔の表情がすごい。時々顔を振りすぎてマイクから口が離れてしまい声が入らなくなることもあるぐらい。何曲目がが終わった時「こういう音楽もある、ということで」と言っていましたが、確かに初めて観る人にはすごいインパクトがあるんだろうなあ。「極東最前線」のCDにも入っていたWax&waneは歌にはいる前の語りの部分も振りつきでちゃんとやってたし。3人が同じ方向に向かって爆走しているっていう感じの演奏がとても気持ち良かったです。


eastern youth

風ノ中
曇天と面影
浮き雲
足音
たとえばぼくが死んだら
静寂が燃える
未ダ未ダヨ
雨曝しなら濡れるがいいさ
何処吹く風
砂塵の彼方へ

青すぎる空
eastern youthが始まる時に改めて客席を見まわしてみるとかなりぎっしり埋まっていました。一安心、、、っていうか「そうだよねぇ。これが当たり前だよ」って気持ちでしたが。
ファウルの時に引き続き向かって左側だったのでGt.吉野さんは少し遠めでした。でもあまり目の前だと吉野さんしか見えなくなってしまうのでちょうどいい感じに3人が視界に入っていて観やすかったです。会場の規模が狭くなんとなくアットホームな空気が流れていたように思います。「少しはゆっくり曲づくりとかさせてくれとも思ったんだが、fOULの連中とも最近ツアーに回ってないなあ、と思って。どうせならやるか、と。ファウルの連中に聞いたら『やる、やる。仕事も辞める』と。みんななんてロマンチストたちなんだと思って、今回『ロマンチックキャラバン』という名前になりました。」というMCがあり、すごく嬉しくなりました。そのツアーの初日がここ豊橋だなんて、、、。地方に住んでいると自分が観たいものを観るためには自分で出かけて行くしかないのに、こうして近くまで来てやってくれるというのは本当に嬉しいです。「バンに9人ぎっしり乗って移動しています。楽器車も本当に満タンでドアを閉めるのも気を使ってそっとやらないといけないぐらいで、シャコタンになってるし。(笑) でもこうして自分たちの足で1歩1歩いくというのがいいんだよ」とか「2回ほどアメリカに行ったことがあって、その時西海岸の○○(忘れた)っていうライブハウスに歩いていったんだけど、その時の風景とここ(ラハイナ)の近くの風景がとても似ているような気がしました。でも俺はここのほうが好きです」というMCも嬉しかったなあ。途中吉野さんのGt.の弦が切れてしまい、サブギターに変えながら「弦なんてものは切れるんだよ。当たり前なんだよ!俺は驚かないよ?」「何度も言うけど切れてあたりまえなんだよ。といいつつ音が違う、とか俺が一番驚いたりするんだけど」と何度も言っているのが微笑ましかったです。結局メインギター2回、サブギター.1回の合計3回(!)弦が切れました。10曲ぐらいの間にこれだけ切れるって多いような・・・。
吉野さんの前は熱い人たちが集まっていて、いやもしかしたら吉野に熱くされた人たちなのかもしれないけど、ダイブも連発してすごく盛り上がっていました。私は逆側だったので人に左右されず自分のノリで終始観ることが出来ました。「静寂が燃える」をやる前に「東京の杉並区の、昼すぎ、12時45分ぐらいは風景が貼りついたようになっていて、それはきっとここ豊橋ではもっとそういう感じなはずで、俺の生まれた町、北海道の帯広市ではもっともっとそんな筈で。」と言ったのを聞いて「そうか!昼間の空気の流れまで止まったような、時間が止まって生き物の気配が感じられないようなあの時間、、、あれが”静寂が燃える”の心象風景か、、、。」と思いました。
アンコールでは「青すぎる空」をやりましたが、前奏が始まってすぐに吉野のGtの弦が切れてしまい一旦中断しました。「5弦が切れちゃうとなんにも出来ないんだよ、、、。さっきも言ったけど弦なんて強く弾けば切れるんだよ!前に俺の知り合いが前奏始まって、すぐに同じ曲をやりなおすほどつまらないものはない、って言ってたけど無視する」といってもう一度「青すぎる空」をやりはじめました。何度聴いてもかっこいい曲です。本当に。



このあと静岡、出雲、滋賀と続いて行くロマンチックキャラバンの無事を祈りつつ、ラハイナを後にしました。お金の面とかそういうことを言い出したらきりがないけれど、このロマンチックキャラバンの旅はその対極にあるなあと思います。それを楽しそうにやっているバンドの人たちと、小さなライブハウスに集まって音楽を楽しもうとする人たちの姿を思うととてもとても幸せな気持ちになりました。